生後2・3ケ月ごろになると、混合栄養の子で母乳は飲むがミルクは飲まないということが、よく起こってきます。
脳が発達し、味の違いがだんだん分かってくるからでしょうか。
体重が普通に増えているようなら、無理に飲ませず、様子をみます。赤ちゃんの気嫌が良ければあまり体重が増加しなくても、そんなに心配しなくてもかまいません。しばらくすると、また飲み出します。
ミルク嫌いが始まったら、乳首の穴の大きさが大きすぎたり小さすぎたりしていないか、乳首が古くなってふにゃふにゃになったり、嫌なゴムの味がしてないか確かめましょう。また、ミルクが熱すぎないか、冷たすぎないか、濃度はどうかチェックしましょう。暑い夏は、少し薄めて飲ませてみてもよいでしょう。
ミルクへの切り替え →閉じる
母乳が不足して30分以上も乳首にしがみついている場合は、ミルクを足すことを考えなければなりません。
また、母乳は十分出ているが仕事に出なければならない時も、少しずつミルクに切り替えていかなければなりません。
まず母乳を飲ませ、不足分をミルクで補います。都合でミルクに切り替えていかねばならない時は、ミルクと母乳を1回おきにする方法もあります。
赤ちゃんには母乳が1番ですからはじめはしぼった母乳を哺乳びんに入れて飲ませ、慣れた頃に少しずつ哺乳びんの中にミルクを入れていく方法もあります。その子その子の状況に合わせ、工夫しましょう。
ミルクの間隔と量 →閉じる
吸う力の弱い新生児は、2〜3時間おきに与えます。量は、50ccぐらいから始めます。
哺乳びんと乳首に慣れてきたら、だんだん量を増やします。
4〜5ヶ月ごろになると、3〜4時間空くようになり、1回あたりの量も150〜180ccぐらいまで飲めるようになってきます。
夜、寝る前には10時ごろにたっぷり与えましょう。半年ぐらいたつと、夜中の授乳がなくなる子もいますが、10ヶ月近くまで午前2時ごろのミルクが必要な子もいます。しばらくだっこしたり、トントンしてもまだ泣きやまない子は、まだミルクが必要なのですから、もう少し我慢してあげましょう。10ケ月すぎ、離乳も完了期に入ってくれば、ミルクを夜中に与えるのはやめ、昼と夜のリズムが上手くできるように工夫しましょう。
哺乳びんよりコップへ →閉じる
赤ちゃんの好きな哺乳びんも、1才頃より少しずつコップにならしていきます。
はじめは、持ち手が2つついたコップに大好きなジュースやお茶を入れて飲ませます。上手になったら、食事の時の味噌汁の上澄みなどを、ほんの少しずつ飲ませます。
最初の頃は、傾け具合が分からず、いきなり全部を傾けてしまうことが多いので、こぼしてもいい量を少しずつ入れてあげます。
この様にしてコップになれてきたら、コップにミルクを入れて飲ませ、徐々に牛乳へすすめていきます。
どうしてもコップに抵抗のある子は、ストローやふたつきのマグカップ(口にくわえるところがちょっととび出している)など仲立ちとして使ってもいいでしょう。
赤ちゃんの胃はとっくりの形をしているので、ミルクを飲んだあとげっぷをしたり、ちょっとした振動でミルクを吐いてしまいます。
飲んだあとは、しばらくたて抱きにして肩にもたれかかるようにし、背中を軽くさすってげっぷをさせ、ラックなどでしばらく頭の方を高くして斜めにして寝かせましょう。
赤ちゃんには、できる限り母乳を与えたいものですが、現代社会はだんだんお母さんの母乳が出にくい環境になってきています。
30分以上も乳首をはなさずにいる時は、母乳不足が考えられます。授乳回数が多すぎたり、泣いてばかりいて眠らないという時母乳不足の心配があります。
お母さんがゆったりした気持ちで、ご飯・みそ汁・野菜中心の昔ながらの食事にすると母乳は多くなると言われています。母乳不足はミルクで補いますが、ミルクに頼ると、ますます母乳は出なくなります。
また飲み残しの母乳は必ずしぼって捨てるか、冷凍保存をしましょう。乳房に残しておくと母乳の出が悪くなったり、乳腺炎の原因となります。
病気に対する免疫物質が含まれている点で、母乳はミルクに勝ります。だから、できるだけ母乳を飲ませたいものです。
冷蔵による保存は12時間以内、冷凍による保存は2カ月以内で飲むことが目安です。
産休明けより仕事に出るお母さんは、100〜200mlずつ入る冷凍パックの利用をおすすめします。日付や時間を記入し、保冷バックで持ち運びします。
解凍する時は、常温でシャーベット状になるまでとかしてから、温煎で温めます。電子レンジは、蛋白質を分解してしまうので使いません。
1日3回食が大体食べられるようになったら、母乳はやめる方向ですすめましょう。
1才をすぎるとミルクや母乳以外から、ほとんどの栄養をとることができるようになり、逆に母乳の中の栄養価はどんどん下がっていきます。
スキンシップを求めて母乳をほしがる場合もありますが、できるだけ遊びの方に誘いましょう。
昔の人は乳房に布をまいて、「お母さんいたいいたい」と諭したり、からしを塗ったり、いろいろ工夫しました。参考にしてみましょう。